オンデマンド印刷

オンデマンド印刷

 必要な時に必要なだけ印刷をするものがオンデマンド印刷です。
印刷技術というものは大量に複製物を造ることを目的に発展してきましたが、小ロットであっても高品質な印刷物を求めるニーズからオンデマンド印刷機の開発がおこなわれました。
おもにオンデマンド印刷の方式はインクジェット方式とトナー方式があります。インクジェット方式とは、多くのご家庭でも利用されている市販のインクジェットプリンターと基本は同じ方式です。トナー方式も会社などで導入・利用されているレーザーコピー機やレーザープリンターと同様の仕組みです。
市販の民生用のプリンターとオンデマンド印刷機との違いは、利用できるプリント用紙やサイズの違いのほか、印字位置の正確性・高度な用紙搬送技術など、印刷する事だけではなく、印刷物を作る上で必要となる精度が求められます。また小ロットであっても業務用として利用するにはそれなりのボリュームがあり、印刷機器の耐久性やスピード、操作性、ランニングコストにも大きな違いがあります。
インクジェット方式とトナー方式との違いは、その印刷方式の違いだけではなく、使用用途や品質などにおいても違いが出ます。

 感光体ドラム全体にマイナスの電荷を与え、レーザービームにより画線部のみプラスに逆転させます。マイナスに帯電したトナーはプラスの電荷をもつ画線部に吸着し、用紙と重なった時点で、強いプラスの電荷を掛ける事で感光体ドラム上のトナーは用紙に転写されます。その後90°Cから200°C程度(機種により違います)で用紙に圧着されます。この際、トナーが熱により溶け、用紙の繊維と絡み合い定着をします。また、溶けたトナーが定着装置に付かぬよう定着装置にはオイルを事前に塗っています。これがレーザープリンターから出力された印刷物のテカリとなる原因です。最近ではこのオイルをトナー自体にまとわせる事により、定着時にオイルを必要としない製品も出てきています。トナーの生成に今までは顔料となる材料を細かく粉砕し作ってきましたが、化学的にトナーを生成する技術が確立され、以前よりも微細でありながらサイズも均一であり、オイルを顔料の周りにまとうケミカルトナーが開発されています。

 インクジェト方式の印刷を、乱暴な言い方をすれば、紙の上に極小のインクを吹き付けて印刷をする方式です。極小のインクを正確にコントロールする技術が品質や生産性に直結しており、現在、加熱によるインク滴の噴射を利用したヒート方式と、電圧を加えると変形する圧電素子を利用したピエゾ方式が主流です。それ以外にも高生産性が可能なコンティニアス方式があります。超音波発信器により連続的にインク滴を噴射しながら、電荷による吸着を利用し、絵柄に不必要なインク滴を回収する方式です。 市販の民生用のインクジェットプリンターはヒート方式かピエゾ方式が利用されています。例えば、ローランド社製SJ-1000 2500mm幅の印刷が可能なインクジェットプリンターは、エコソルベントインクを使用し、溶剤系のインクでありながら高画質、高精彩で高耐候性を両立したプリンターです。プリントビズでも屋外用大判ポスターや、フロアーマーキングなどハードな利用が想定される商品に利用しています。業務用に使用するオンデマンドインクジェット印刷機でも、大判のポスターなどを印刷するインクジェットプリンターでは、ヒート方式やピエゾ方式が多く使われています。コンティニアス方式ではヘッドは固定されており、印刷用紙が移動する事で印刷を行いますが、大サイズを印刷するには用紙の幅だけインクジェットヘッドを並べる必要が有り、不向きです。そこで、用紙送りをしながらヘッドを左右に振りながら印刷を行う方式が採用されています。欠点としては、余り高速にはできないところがあります。高生産性が必要となる場合にはコンティニアス方式が利用されていますが、多くはオフセット輪転機と呼ばれるロール紙に高速に印刷を行う印刷機のラインにヘッドを取り付け、オフセット印刷とインクジェット印刷のハイブリッドのような使われ方が多く、最近では利用明細書などの印刷にカラーでの広告を顧客毎別に違った内容のものを印刷したりするようになってきました。

 ■オンデマンド印刷の最大のメリットは「バリアブル印刷」というものがあります。
バリアブル印刷の特徴は、通常のオフセット印刷などでは不可能であった1枚ずつ内容の異なる印刷物を連続して印刷する事です。例えば卒業証書などはすべて別々の氏名が必要です。ナンバリング印刷なども当てはまりますが、単に連番で印刷するだけではなくランダムな数字であっても、あるいは1枚毎に違う写真であっても印刷ができてしまいます。印刷をする情報すべてがボーン・デジタルであることが可能としたバリアブル印刷は、データベースとの連携によりさらに個々にパーソナライズされた情報の配信を可能とします。例えば、お客様の性別・年齢・地域などをはじめ趣味・嗜好もデータベース化し、お客様の好みのダイレクトメールを送る事なども可能です。ダイレクトメールだけではなく、バリアブル印刷は印刷物に大きな付加価値を付ける印刷と言えます。